年 頭 御 挨 拶

一般社団法人全日本木材市場連盟
会 長  市 川 英 治

新年、あけましておめでとうございます。皆様には本連盟の運営につきまして、格別のご高配を賜り、誠に有難うございます。

昨年を振り返ってみますと、熊本地震を皮切りに国内外で地震が多発し、英国のEU離脱、米統領選でのトランプ氏の逆転勝利など激震の年でした。また、日本人のノーベル賞受賞、リオ五輪・パラリンピックの日本選手の大活躍、被災地の復旧・復興の動きの本格化など、元気の出る話題もありました。

月例経済報告によりますと「景気は、一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基 調が続いている」、住宅建設は「このところ横ばい」とされております。新設住宅着工戸数は1月-10月累計で80万4千戸と対前年同期比106.6%となり、5か月連続で、8万戸を上回るなど、回復の兆しも見えております。

とはいえ、米トランプ新政権への期待もある一方、保護主義的政策・TPP離脱、英国のEU離脱、日欧間の経済連携協定(EPA)の行方、原油価格、新興国経済の減速及び為替など様々な懸念材料があり、景気並びに木材市況等の先行きは、極めて不透明です。

そのような中、東京五輪関連施設での木材使用を通じた木材需要増加も期待され、既に五輪向け土木用材が動き始めるなど明るさも見えております。

政府・与党は、「農林水産業・地域の活力創造プラン」及び「日本再興戦略」等を策定し、地方創生を旗印に林業の成長産業化を目標にして、29年度予算案においても「成長産業化の実現に向けた取組」が盛り込まれ、税制についても「森林環境税(仮称)の創設」実現に向けた取組をいただいたところです。

 全日本木材市場連盟と致しましても、新たな木材需要の創出、公共建築物・商業施設等の木造・木質化や木質バイオマスの安定供給、クリーンウッド法に沿った合法木材の安定供給、JAS製材品など品質の確かな木製品の流通拡大、会員等の連携による国産原木の安定供給体制づくり、ウッドファースト等木材利用拡大のPR、人材育成などに取り組んで参ります。

今年は、酉年です。酉は、「取り込む」につながり、運気も客も取り込んで「商売繁盛に繋がる」年だそうです。

「酉」は「果実が成熟の極限に達した状態」を表しているとされます。我が国人工林資源は、大径材利用が課題になっている成熟の域に達した地域もあり、十分に利用されていないこのような資源を活かして、ビジネスに繋げるなど、商売繁盛を目指して参りましょう。

 皆様方の益々のご隆盛とご健勝をご祈念申し上げ、新年の挨拶とさせて頂きます。